バイオレメディエーションとは
バイオレメディエーションとは、微生物の能力を利用して、汚染物質を分解する方法です。
当社のバイオレメディエーションでは、原油やガソリン、灯油、軽油、重油などの石油類(炭化水素化合物)に汚染された土壌や地下水を浄化することを主としています。原理は簡単ですが、大きな効果が期待できます。
バイオレメディエーションには、浄化方法としてバイオスティミュレーションとバイオオーグメンテーションの2通りの手法があります。
バイオスティミュレーションは、汚染された場所に生息する微生物に酸素や栄養を与えて、微生物の働きを活性化させて浄化する方法です。土壌や地下水中に汚染物質を浄化してくれる微生物がいない場合は機能が発揮されません。
当社が採用しているバイオオーグメンテーションは、浄化したい汚染物質を分解できる能力を持った微生物と、その微生物が必要とする酸素と栄養をいっしょに与える方法です。
バイオレメディエーションの技術は、燃料として灯油や重油を使用する施設や工場、ガソリンスタンドの跡地などの浄化に役立ちます。この技術は、海洋で流出した原油などの海洋汚染対策としても利用されています。
バイオレメディエーションのメリットとデメリット
土壌や地下水中に、微生物と、必要とする酸素と栄養を注入するだけでも浄化ができますので、汚染された土壌を掘り返すことも必ずしも必要なく、原位置浄化が可能です。費用が安くて済むメリットもあります。
また化学薬品を使用しませんので、更なる環境汚染の心配がないという長所もあります。
デメリットとしては、土壌や地下水の環境や油種によっては、浄化に時間がかかったりする場合があります。そのため、バイオレメディエーションによって汚染の浄化ができるかどうかの事前試験(トリータビリティ試験)を行ってから施工することを推奨しています。
また、浄化が微生物頼みですので、どれぐらいの期間で浄化できるかが正確に読めないという課題があります。
当社では、バイオレメディエーションの効果を高めたり、課題を克服するための研究開発を重ねています。
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当社のバイオレメディエーション
微生物を利用するバイオレメディエーションは、微生物の培養が問題となります。
当社が提供するオッペンハイマー・フォーミュラは、粉末で乾燥し休眠状態でたくさんの種類の微生物が入った複合微生物製剤です。そのため、大量に保管をすることができ、短期間で大量の製品を提供することが可能です。
石油は、様々な炭化水素から成り立つ化合物で混合物です。それら複雑に混合された油を分解には、様々な多様性を持った複合微生物が必要です。
油汚染は広範囲であることも多く、当社のオッペンハイマー・フォーミュラは、そのような土壌汚染浄化や地下水浄化でも対応可能です。
また、オッペンハイマー・フォーミュラの微生物は、自然環境から採取されたものばかりです。汚染の浄化の他にも、公園や緑地、園芸・ガーデニングの土壌改良、魚の飼育や観賞魚のための水質調整にもご利用いただいております。
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土壌汚染・地下水汚染の主な浄化事例
燃料タンクから漏れた重油を浄化
福島県の工場で、燃料タンクから重油が漏洩してしまい、土壌が汚染された事故がありました。その土壌浄化に当社のバイオレメディエーションが採用され、重油の浄化に成功しました。
対象 | 土壌(20,000m3) |
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浄化対象物質 | A重油(工場の燃料タンクより漏洩) |
工法 | 原位置でバイオ製剤を注入+バイオベンディング |
工場跡地の重油を浄化
埼玉県にあった工場跡地で、燃料用に使っていた重油が土壌にしみ込んでいることが判明しました。A~C重油といった様々な炭化水素から成り立つ化合物の浄化に、当社のバイオレメディエーションが採用されました。
対象 | 土壌(850m3) |
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浄化対象物質 | A~C重油(工場の貯蔵タンクより漏洩) |
工法 | ランドフィージング |
ガソリンスタンド跡地の土壌・地下水浄化
福島県にあるガソリンスタンド跡地を調べたところ、TPHやベンゼンによって土壌や地下水が汚染されていることが判明しました。その浄化に、当社のバイオレメディエーションが採用されました。この事例のように、バイオレメディエーションはベンゼンのようなVOCの浄化にも効果があります。
対象 | 土壌・地下水(2,500m3) |
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浄化対象物質 | TPH、ベンゼン |
工法 | 原位置にバイオ製剤を注入+地下水循環 |