バイオ(微生物)による油・VOCの汚染の浄化、土壌・地下水汚染の対策、排水の処理を実現するバイオレメディエーション
株式会社 バイオレンジャーズ

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Technology Column土壌・地下水汚染浄化の最前線

Vol.8バイオレメディエーションによる地下水汚染の浄化方法

バイオレメディエーションは、油による地下水汚染を浄化する手法の一つで、微生物によって油を分解して浄化するため、環境負荷が小さく、広範囲に広がった地下水汚染にも対応できます。

地下水汚染の調査からバイオレメディエーションにて地下水浄化を行うまでの流れをご説明いたします。

地下水汚染の調査

油が土壌を汚染した場合には、その油が土壌のみの汚染で収まっている場合もありますが、中には、油が地中深くまで浸透し、地下水まで汚染している場合もあります。油が地下水まで到達しているかどうかは、ボーリング調査で調べることができます。

油が地下水にまで到達してしまうと、油は地下水面を横方向に広がり、汚染の範囲が広範囲に及ぶ可能性があります。また、季節変動などで地下水位が上下すると、油も一緒に上下し、汚染範囲が拡大します。

地下水が汚染されているかどうかは、井戸を設置して地下水を採取し、油分濃度や油臭・油膜を確認します。

地下水浄化計画

調査後は、調査報告書を基に浄化計画を立案します。

バイオレメディエーションが採用された場合は、この計画段階で、製剤の使用量や、注入間隔、注入方法を決められます。

当社へのご相談は、この調査報告書が出た段階でいただくことが多いです。調査報告書に基づいてお見積りをお出しします。

トリータビリティ試験

バイオレメディエーションで浄化ができるかどうかは、それぞれの現場によって条件(油種、油分濃度、水質など)が異なるため油汚染された地下水を当社までお送りいただき、あらかじめ浄化効果を確認するための試験を行います。

試験期間は1週間~2週間程度です。

トリータビリティ試験ので、浄化可能であることと判断できたら、現地での浄化作業の準備を始めます。

バイオレメディエーションによる地下水の浄化工法

バイオレメディエーションによる地下水浄化の工法は、ロッド注入か井戸注入です。

ロッド注入(ダイレクトプッシュ)

ランドファーミング

ロッド注入では、ボーリングマシーンで地中にロッドを挿入し、ロッドを引き上げながら、各深度にバイオ混合液を注入します。

注入後、揚水井戸と注入井戸を設置し、地下水を揚水循環することで、浄化の促進を行うことができます。油の分解は好気分解の方が早いのですが、地下水を循環させることで、酸素を供給することができます。それから、注入したバイオ混合液を均一に拡散することも期待できます。

揚水井戸からくみ上げられた地下水は、単に地下水を循環するだけではなく、浄化進捗モニタリングにも利用します。モニタリングでは、TPH、油臭・油膜、pH、窒素・リン濃度、全微生物数などを確認します。現場では、地下水位、DO(溶存酸素量)、ORP(酸化還元電位)などを確認することも大切です。

井戸注入

ランドファーミング

井戸注入とは、φ50mm程度の井戸を設置し、井戸からバイオ混合液を注入する工法です。高低差による圧力で、上からジワジワと入れて自然に浸透させる自然浸透と、井戸にふたをして圧力をかけて入れる圧力注入があります。

透水性がいい層であれば、自然浸透も可能です。

注入を終えた井戸は、ロッド注入と同様に、揚水循環にも使用できます。ロッド注入同様に、浄化進捗のモニタリングを行うことが大切です。

浄化目標を達成した区画から浄化完了となります。

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